【画像11枚で紹介】ヤマハ TZR250 (3MA) オイルタンク 3Dプリント製作

サンマの愛称で親しまれた ヤマハ TZR250 3MA は1989年に特徴的な前方吸気/後方排気の特徴を持つスポーツバイクとして誕生しました。
2ストロークエンジン搭載の250ccスポーツバイク市場が一大ブームを巻き起こしたのは1980年代から90年代半ば、あれからもう40年近く経ったということには驚きを隠せません。それだけ鮮やかな時代だったのですね。

ということで、今回お預かりし製作したタンクもおおよそ40年近く経ったプラスチック部品。
そりゃ劣化もしますよね。ということで、お預かり時の状態から確認していきましょう。

【画像で確認】TZR250 3MAのオイルタンクはどこが弱い?

まずは亀裂箇所を確認してみましょう

亀裂の確認①

ここが亀裂です、と言えるような状況ではありませんでした。

画像の通り、オイルタンク全体に亀裂が走っています。
ぎゅっと押したらバラバラになってしまうのではないかと思うほど脆く、オーナーと過ごした年月を物語っています。

亀裂の確認②

こちらは車体への取り付け部でしょうか。ボルトなどがとりつくであろう穴がねじ切れるように破れています。

また、根本部分にも亀裂ができていることからどちらが悪くなるにせよ、タンクのぐらつきや最悪の場合には脱落の可能性も考えられます。
景色の良い道を抜けたところで、気持ち良いカーブの途中で、などと考えるだけでブルーな気持ちになりますね。

オークション購入時は気をつけて画質が悪いと亀裂に気づかないかも?

こちらは先のオイルタンクです。
角度を変えて3枚撮影してみました。

例えばこの角度だと、取り付け部の破損はわかりますが全体的に発生している亀裂については確認が難しいことがわかりますね。

オークションサイトなどで

「なんか画質が悪いな」
「全体画像はあるけど、寄った画像がないな」

という場合には金額を問わず注意が必要です。

今となっては希少なオイルタンクということもあり、出会える確率はかなり低くなっています。
しかし、引き画像や画質の悪い画像だけで入札するのは考えものです。

では、この角度はどうでしょうか?
影になったことにより取り付け穴部分の破損もわかりにくくなっています。

プラスチック部品というのは必ず劣化します。
特に、自動車やバイク部品となると油脂類との接触高温状態にさらされる紫外線にあたるなど、お風呂の桶のようなプラスチック用品とは状況が異なります。
(もちろん製造方法や素材も異なりますが、それにしても、です)


そのため、20年を超えるようなパーツについては必ず

  • アップの画像がある
  • 画質の良い画像
  • 複数の角度から撮られている
  • 明るい

などの条件を確認することをお勧めします。出品者さんと交流ができるとなお良いですね。

ということで、3枚目
これがオークションサイトだったら、ここでページを戻るという方もいらっしゃるかもしれませんね。

データ製作と完成品

お預かりしたタンクからスキャンしたデータを出力できる形へ編集します。

スキャンデータ

スキャンデータ

この作業が最も時間のかかる部分であり、スキャンしたデータのまま出力できればいいのにとぶつぶつ言いながら作業を進めます。

3D CADでの編集データ

CADデータ

肉厚やアール部分などを3Dプリントに適した状態へ変更したり、素材にあった状態に編集し、出力工程へと進みます。

完成品

3D製作したオイルタンクです

もとのオイルタンクとの比較です。
表面が整っていることはもちろんですが、スキャンデータを元に編集することで取り付け位置や寸法なども正確に製作することができます。

全体に広がった亀裂がよく見える角度です。
タンクを交換することで、また永く楽しいバイクライフをお送りいただけると嬉しいです!

何か1つの部品が入手できなくて、流用できなくて、中古がなくて、そのバイクを諦めてしまうというのはよくあることです。
私自身バイクが大好きで、これまでに新旧さまざまなバイクを13台乗り継いできましたので、お気持ちは痛いほどわかります。

弊社では、そのようなお声に1つでも多くお応えできるよう、修理だけでなく3Dプリントでのパーツ製作を行なっております。
LINEにて現在の状況がよくわかるような画像を数枚お送りいただければ、修理や製作の可否および納期やお見積もりなどもご提示しております。

どうしても純正がいい!でも、中古を探している間の繋ぎとして…
という方も増えていますので気兼ねなくご連絡ください。

ご依頼は車のプロじゃなくても大丈夫

丸イへご依頼いただく作業の1/3ほどは一般ユーザー様です。
また、ユーザー様のご紹介で入庫先の工場からご依頼いただくことも増えてきました。
他にも輸送中の思わぬ破損、輸送事故など運送・輸送業者様からもお問い合わせいただいております。

弊社は岐阜県岐阜市にありますが、全国から郵送にて修理を承っております。お気軽にお問い合わせください。

中古品が入手できない、そんな時には丸イの溶接修理もぜひご検討いただけますと幸いです。

佐藤

写真を添えてご相談いただければ、私が破損状況を確認してお答えします!

プラスチック・樹脂パーツの修理は丸イへご相談ください!

丸イの公式LINEまたは、お問い合わせフォームよりご相談を承っております。
いずれもお写真だけでお見積りが可能ですので、お気軽にご相談ください!

破損箇所の撮影方法については こちら のページをご確認いただけますとスムーズです。

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