No.63 日産 スカイライン ER34 樹脂製燃料タンク割れ修理

丸イ:佐藤

スカイラインの樹脂製燃料タンクの割れ修理なら、丸イへお任せください!

樹脂製の燃料タンクを搭載しているのはどんな車?

お預かりしたスカイライン ER-34 の燃料タンク

丸イがよくお問い合わせをいただくのは、スカイラインGT-R(BNR32/BCNR33/BNR34)スカイラインラシーンなどです。
他にもシルビアやステージアなどにも、樹脂タンクが採用されているようです。

お客様に伺った話によると、これくらいの年式の車両から軽量化などのために樹脂製タンクを搭載されているそうです。
しかし、通常使用をしていても経年劣化により亀裂が入ってしまうことがあるのだとか。

丸イ:佐藤

現在は樹脂製燃料タンクを採用しているメーカーが増えていますね。
軽量化だけでなく、防錆処理が不要となるなど製造サイドの利点もあるようです。

お客様のお困りごと

  • 燃料漏れが発生している
  • 部品が廃盤になってしまい入手が難しい
  • オークションサイトの中古パーツも高額

燃料タンクの修理依頼が増えています

国産車では日産のシルビアスカイラインGT-Rラシーン
輸入車ではポルシェボクスターボルボ940の修理をご依頼いただいております。
二輪ではホンダXR70RXR250RXR600Rなどをご依頼いただきました。

今後もブログでご紹介いたしますので、修理をご検討されている方はぜひご覧ください。

お預かりしたスカイライン ER34 の燃料タンクの状態は?

シーラーで補修されていた、スカイラインの燃料タンク

合わせ面がシーラーで補修されており、そこから燃料が漏れている状態でした。
シーラーでの修理はあくまでも応急処置であり、長くお乗りいただくには根本的な解決が必要ということがわかります。

シーラーで補修された箇所。燃料が滲んでいるのがわかる

シーラーでの補修跡からの燃料漏れを確認

シーラーを取り除くと、10cmほどの亀裂を確認することができました。
損傷は見当たらず、経年劣化によるものだとわかります。

合わせ面からの燃料漏れ

タンクを傾けると、残っていた燃料が滲んできました。

スカイラインの樹脂製燃料タンクの素材は?

>HDPE< が今回のタンクの素材を表しています

HDPEとは、高密度ポリエチレンを表しています。

丸イ:佐藤

リザーブタンクや2ストオイルタンクでもHDPE素材が多く使われており、亀裂でのご相談が多い印象です。

HDPE(高密度ポリエチレン)の特徴

高密度ポリエチレン(HDPEまたはPE-HD)は、他のポリエチレン(PE)と比較し、硬い性質から硬質ポリエチレン、製法から中低圧法ポリエチレンとも呼ばれる。

  • 比重0.942以上。不透明。フィルム成形しても白色のまま透明にはならない。
  • 臭気が低く無毒性。
  • 引張強さや衝撃強さに優れる。
  • 耐寒性に優れる。-80℃の低温下まで機械的特性が低下しない。
  • 電気特性が良く、絶縁性に優れる。
  • 耐候性は低い。
  • 燃焼カロリーが高い。
  • 成形収縮率が大きく、ヒケやソリが出やすい。
  • 加工性に優れる。
  • フィルムはガスバリア性・防湿性に優れる。裂けやすいが延伸すると強靭になる。
  • HDPEの使用量としては押出成形品が最も多い。
PANTECH CORPORATION | 高密度ポリエチレンの特徴

耐候性は太陽光、温度、湿度、雨などの自然環境などによる影響に耐える性質を表すことから、
耐候性が低いということは、自然環境によって劣化しやすいということがわかります。

プラスチックが紫外線に当たり続けると劣化してカサカサ、パリパリになるというのは想像し易いですね。

窒素を利用したプラスチック溶接の紹介

溶接箇所を削り、溶接ロッドと母材が接する面を大きくします
溶接ロッドと母材が混じり合うように丁寧に溶接します

母材と母材の間に入ってくっつけるのではなく、熱を利用して母材と溶け合うという点が接着剤との大きな違いです。
また、窒素ガス溶接では溶け合う時に酸化を防ぐことができるためプラスチックの溶接をより安定させることができます。

窒素ガスでの溶接後、表面をならしたところです

HDPE(高密度ポリエチレン)は溶接が難しい?

丸イ:佐藤

HDPEはPPやABSなどと違い、どろっと溶けずプニプニした感じになります。
溶接ロッドと母材が混ざり合いにくく、くっついたように見えても力を加えると剥がれてしまうなどプラスチックの溶接の中でも難易度が高い修理だと思います。

漏れチェックを行い、修理完了

一晩立てかけて漏れがないか確認しました

※現在、漏れ確認はお客様に行っていただいております。

漏れチェックの後は、表面を丁寧に整えます。

修理前
修理後

依頼箇所の他にも亀裂があったため、予防のために溶接を行いました。

もう1箇所の亀裂
予防のために溶接修理しました
修理完了です

今回のご依頼では、スカイラインER34の樹脂製の燃料タンクを修理しました。
溶接したので、安心してこれからも長くお乗りいただけると思います。
スカイラインGT-R(BNR32/BCNR33/BNR34)スカイライン の燃料タンクは入手が難しいそうで、最近ご相談が増えています。

ヘッドライト以外のパーツについても、お気軽にご相談ください。

ご依頼は車のプロじゃなくても大丈夫

丸イへご依頼いただく作業の1/3ほどは一般ユーザー様です。
また、ユーザー様のご紹介で入庫先の工場からご依頼いただくことも増えてきました。
他にも輸送中の思わぬ破損、輸送事故など運送・輸送業者様からもお問い合わせいただいております。

弊社は岐阜県岐阜市にありますが、全国から郵送にて修理を承っております。お気軽にお問い合わせください。

佐藤

写真を添えてご相談いただければ、私が破損状況を確認してお答えします!

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いずれもお写真だけでお見積りが可能ですので、お気軽にご相談ください!

破損箇所の撮影方法については こちら のページをご確認いただけますとスムーズです。

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No.63 日産 スカイライン ER34 樹脂製燃料タンク割れ修理” に対して1件のコメントがあります。

  1. Jeremiah Tollefson より:

    Great post! I really enjoyed going through it and learned some helpful tips. Keep up the great work!

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