No.70 日産 S14 シルビア 燃料タンク溶接修理

佐藤

前回のヘッドライトに続き、お問い合わせが増えてきているシルビア!
今回は燃料タンクの溶接修理をご紹介します。

S14シルビアの燃料タンク

樹脂製のシルビアS14の燃料タンク

設計の自由度が高く、軽量化にもなることから90年代から徐々に増え始めた樹脂製燃料タンクですが、経年劣化により亀裂が発生し燃料漏れが多発しているようです。

新品はすでに廃盤となっている

シルビアの燃料タンクについて調べてみたところ、やはり新品の入手はできないようです。
また、オークションサイトで中古品の出品がありましたが「燃料漏れあり」「パテ補修済み」「シーラーあり」などジャンク品としての出品が多いようでした。
良品や美品と記載して出品されているものもありましたが「写真で判断してください」とあったので、未確認なのかな?と思います。
写真を見る限りではポン付けできそうでしたが、詳細はわかりませんでした。
ホースの取り回しや長さなど、取り付けに加工が必要な可能性も加味すると溶接修理を検討してみるのもよいのではないでしょうか。

燃料タンクは交換でなく修理が増えています

国産車では日産のシルビアスカイラインGT-Rラシーン
輸入車ではポルシェボクスターボルボ940の修理をご依頼いただいております。
二輪ではホンダXR70RXR250RXR600Rなどをご依頼いただきました。

今後もブログでご紹介いたしますので、修理をご検討されている方はぜひご覧ください。

S14シルビア ガソリン漏れはどこから? (写真あり)

修理箇所は3箇所

燃料タンク本体の側面(長方形枠の部分)に10cmほどの亀裂、上部のホース取り付け部(丸枠の2部分)にそれぞれ数cmの亀裂が発生し、それら全ての亀裂からガソリンが漏れている状態でした。

今回はお預かり時から側面に漏れがありましたが、丸枠部分のみの漏れで溶接修理した場合に新たに側面から漏れを誘発するケースもあります。

燃料タンクは主にHDPE製が多く、ABSやPPといった一般的な材質に比べて溶接が難しいだけでなく、巣穴程度の溶着不良も燃料漏れに直結するため、確実に修理するには特殊な機材や技術が必要不可欠となっています。

修理① 長方形枠の部分

まずはタンク側面の亀裂修理です。
外からは確認できない内部の亀裂がどこまで進行しているかタンクを削って確認します。

内部に亀裂があるとガソリンの色がついた箇所が見つかります(写真2枚目の矢印)。
このような亀裂が徐々に進行し燃料漏れとなるため見逃さないよう、できる限り対処する必要があります。今回は外側に発生している亀裂の倍以上長い亀裂が内部に見つかりました。

続いて、亀裂が見つかった箇所をさらに削り深い溝を作り奥から順番に溶接をしていきます。
より深い部分から溶接することで亀裂の再発を防止し、タンクの寿命を更に伸ばします。

この時、溶かした部分が酸化(炭化)しないよう、専用の溶接機で窒素ガスを使いながら溶接をしていきます。溶接が終わったら表面を整え塗装を行い完成となります。

修理② ホース取り付け部(2箇所)

次はホース取り付け部の修理です。

こちらも同じような手順で溶接を行なっていきますが、一部差し込み口が邪魔をして溶接できないため、一旦差し込み口を切り落とし蓋の部分を溶接してから再び差し込み口を接合しています。
この際、ホースからの漏れが発生しないよう差し込み口の外径や内径が変わらないように溶接する必要があるため、難易度の高い修理となります。

最後はホース取り付け部外周に発生した亀裂を治します。
こちらも別のところから燃料漏れが起こらないよう全周を溶接します。

燃料タンクは全国から郵送で受け付けています

梱包方法の例

タンク修理は全て郵送に対応しております。
最寄りの整備工場様にて取り外しをしていただき、内部を乾燥させ丸イへご郵送ください。
梱包につきましては、プチプチシート等でしっかりと養生していただき、巻きダンボールとPPバンドで覆ってご郵送ください。

2023年8月現在、ヤマト運輸様は200サイズ、佐川急便様は260サイズまで対応しています。

サイズについてはこちらからご確認いただけます

ヤマト運輸リンク/
宅急便のサイズについて

\佐川急便リンク/
飛脚ラージサイズ宅配便

【輸送時】万が一への備えも怠りなく

輸送時の破損は運送会社様の保険でカバーできる場合があります。
もしもの場合に備え、タンクの角やホースの出っ張っているところなど 壊れやすそうだなと推測できる部位については写真を事前に撮影しておくことをお勧めしています。

お預かりからお戻しまで

ご相談から、お受け取り、作業、返送までおおよそ10日ほどでした。
丸イへは LINE または お問い合わせフォーム からお気軽にご相談ください。

佐藤

ヘッドライト以外にも、樹脂製タンクや外装パーツなど様々なプラスチックパーツを修理しています。
日数や郵送方法などもお気軽にご相談ください。

ご依頼は車のプロじゃなくても大丈夫

丸イへご依頼いただく作業の1/3ほどは一般ユーザー様です。
また、ユーザー様のご紹介で入庫先の工場からご依頼いただくことも増えてきました。
他にも輸送中の思わぬ破損、輸送事故など運送・輸送業者様からもお問い合わせいただいております。

弊社は岐阜県岐阜市にありますが、全国から郵送にて修理を承っております。お気軽にお問い合わせください。

中古品が入手できない、そんな時には丸イの溶接修理もぜひご検討いただけますと幸いです。

佐藤

写真を添えてご相談いただければ、私が破損状況を確認してお答えします!

プラスチック・樹脂パーツの修理は丸イへご相談ください!

丸イの公式LINEまたは、お問い合わせフォームよりご相談を承っております。
いずれもお写真だけでお見積りが可能ですので、お気軽にご相談ください!

破損箇所の撮影方法については こちら のページをご確認いただけますとスムーズです。

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